実は……。

最初は、「荒木さんがインキュバスだったら面白いかも」と思って設定しておりました。
淡白なふりをしたインキュバス荒木さん。
会社の子には絶対手を出さない荒木さん。
案外、いいかな、と思っていたんですよね。

そのときはまだインキュバス・ケントくんを出す予定ではなく、ただのマセガキ・ケントくんだったんです。

でも、キャラクターを作る過程で「美少年だからといって、サキュバスちゃんが一瞬でも中学生に惹かれるとは思えない」「何か理由があるはずだ」という結論になり、「同族である」という理由をケントくんに与えた経緯があります。

そして、役割を外されて出来上がったのが、「何を考えているかわからない、謎の荒木さん」なのです。

セックス嫌いを公言する、草食系男子。

それは、なぜ? 何か理由があるの?

なんやかんやでサキュバスちゃんに親切にする同僚。

どんな気持ちで接しているの?

日向さんのアプローチに気づかない鈍感男。

本当に気づいていない? 営業マンなのに?

インキュバス荒木さんだったら簡単に説明がつくこと、だったんです。
でも、普通の人間荒木さん。
掘り下げれば掘り下げるほど、荒木さんという人間がわからなくなってしまいまして、ねぇ。

そして、作者様に相談しながら、思ったんです。

荒木さんは、やっぱり、表の顔と裏の顔があるんだろうなぁと。

当初のインキュバスも裏の部分に当たるわけですが、やっぱり、同じなんだと。

最初の設定からズレないような(矛盾のないような)「裏の顔」を考えるのが……ギャップを考えるのが、まぁ、骨の折れること!

もっと考えてキャラを作るんだった!
……と、まぁ、そう後悔するのも、長編では毎回のことです(笑)

インキュバスではなくなった荒木さん、似ているということから「まさか叡心先生の子孫!?」と思わせつつも、「違いました、沖野さんの子孫で翔吾・健吾のはとこでした!」という強烈なオチ。

……マジで!?という読者様の声が……声が(笑)ええ、一番多かったですよ。

さらには、実は「縛りたがりのドS」という肉食系男子。
ハードもソフトもイケちゃう本物。

「淡白ゆえに彼女と別れてしまう」のではなく、「やりすぎて別れを切り出されてしまう」という鬼畜になりました。

……荒木さん、荒ぶりすぎ(笑)

しかし、「ぐいぐい迫られたい」願望は女子なら誰しも持っているので、満を持して豹変していただきました。

でも、SMを毎週、というのはやっぱりしんどいですよねぇ。

荒木さんがどこまでヤルのかは(現段階では)想像にお任せいたしますが、道具、アナル、野外プレイ、首締め、寝取らせ……荒木さんとんだ変態だな!!と思わざるをえません。まだ書いていないのに(笑)

というわけで、変態を生み出してしまいました!

「髪フェチ」水谷警部より変態度が高めかもしれません。

実は妹尾さんとの一件も、荒木さんが噛んでいるんじゃないかと疑わしいくらいのドSになってほしいですね。

三回粘って、荒木さんの粘り勝ちになるか!
(頑張れ、できる営業マン!)

サキュバスちゃんが何とか貞操を守りきるか!
(押しに弱すぎるよ、きみ!)

いやいや、「純情」はそこにはないね!?
(どこに行った、純情!? カムバック!)

……という展開になりつつあります。

気づけば、「こんな荒木さんでいいの?」と疑問に思っていたのに、「覚醒したならもっとやれ」と思いながら書いている状況です。
「誰かのためじゃない、あなた自身の願いのために!」と叫ぶミサトさんの心境。鬼の所業か。

そんな荒木さんとの攻防に、乞うご期待!

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